![]() |
||
|
![]() |
||
|
JRR-3M研究炉で行われている中性子散乱実験では、試料を絶対温度0.1 K以下の超低温にする必要が生じました。 超低温は、ヘリウム-3(He-3)/He-4希釈冷凍という原理によって実現できます。希釈冷凍機は、先ず低温雰囲気を作り、その中でHe-3とHe-4を混合した作業ガスを働かせる大変大がかりなものです。とくに市販のものは、この低温雰囲気をつくるために、大量の液体ヘリウム寒剤(He-4液体)が必要になるので、このことが超低温の中性子散乱実験を非常に難しくしていました。 私たちは、この大量の液体ヘリウム寒剤を使う従来の方式ではなく、Gifford-McMahon(GM)冷凍機とパルス管冷凍機をくみあわせたハイブリッド冷凍機を用いる方法によって、容易に50 mKの温度を得られる冷凍機を開発し、これを中性子散乱用「mKクライオクーラー」と呼ぶことにしました。この希釈冷凍機は、ボタン一つ押すだけで超低温を生成し、長時間の中性子散乱実験中ほとんどメンテナンス無しの安全運転をすることができます。また、コンパクトな冷凍機なので、中性子散乱装置の試料部の回転や傾斜が容易にできるようになりました。 |
参考文献
Y. Koike et al., Development of Liquid-He-Free Dilution Refrigerator for the Neutron Scattering, Proc. of ICEC17: Refrigeration, Section 6, 263 (1998). |
ご覧になりたいトピックは左側の目次よりお選び下さい。 | ![]() |
たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |