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ダイバータを備えたトカマクでは、主プラズマのすぐ外側の周囲に薄いプラズマの境界層(SOL:Scrape- Off Layer)が形成され、通常主プラズマ上部からダイバータ部に向う磁力線に沿ったプラズマの流れが生じます。このプラズマ流は主プラズマへの不純物の侵入遮蔽や主プラズマから排出される不純物及びヘリウム灰の排気性能に影響を与えるため、この流れの構造や性質を良く理解することはダイバータ設計の基礎として重要です。 JT-60では図2-4に示すように、主プラズマの赤道面近くとダイバータ部に可動静電プローブを設け、SOLプラズマ流の空間的に細かな同時測定を進めています。その結果、赤道面に近いSOLでは下方のダイバータ部とは逆向きの流れが生じていることが初めて観測されました。図2-5はイオンや電子の温度、密度、さらに電場分布などのデータを詳しく解析した結果を模式的に示したものです。この現象は赤道面近傍の主プラズマの周辺で、イオンのポロイダル方向の流れと磁力線に沿って圧力を一定に保とうとする流れが生じ、その組み合わせによって説明できることがわかりました。この結果をSOLやダイバータ・プラズマの特性評価に導入すれば、ITERなどのダイバータ設計の物理的基礎をより確かなものにしていくことができるものと期待されます。 |
参考文献
N. Asakura et al., Heat and Particle Transport of SOL/Divertor Plasma in the W-Shaped Divertor on JT-60U, Proc. of 17th IAEA Fusion Energy Conf., Oct. 19-24, 1998, Yokohama, IAEA-CN-69-EXP4/06 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |