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高性能で安定な炉心プラズマを実証している“負磁気シアモード”は、定常トカマク炉へ至る有力な候補の一つと考えられ、私たちはいろいろな角度から研究を進めています。重要な研究課題の一つは、核融合炉で生成されるアルファ粒子によって引起こされる“アルフヴェン固有モード”(TAE:Toroidicity-induced Alfven Eigenmode)と呼ばれるプラズマの不安定性が、炉心の高温のイオンの閉じ込めにどのような影響を与えるかという問題です。 JT-60では高エネルギーの負イオン源中性粒子入射を用いて、アルファ粒子を摸擬した実験を行いこの課題を追究しています。図2-6は“負磁気シア”の効果を示す実験結果です。負の磁気シアが十分強い領域では、高エネルギー・イオンの平均圧力がTAEを励起するような条件にあっても、TAEは安定化されて出現しません(図2-6(a))。しかし負の磁気シアが弱い場合(図2-6(b))には、安定化が十分でなくTAEが励起されます(図2-6(c))。実験で得られたTAEの安定化の諸条件は、シミュレーションによる予測とも良く一致しています。これまでの実験では、TAEの高エネルギー・イオンの閉じ込めに対する大きな影響は認められていません。 |
参考文献
Y. Kusama et al., Characteristics of NNB-Driven Alfven Eigenmodes, Burst and Chipping Modes in the Alfven Frequency Range in JT-60U, Proc. of 17th IAEA Fusion Energy Conf., Oct. 19-24, 1998, Yokohama, IAEA-CN-69-EX8/5 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |