2.8 ITER遠隔制御のための計算機ネットワークを構成する
   ―仮想空間を利用して現実の機械を制御―
   


拡大図(166KB)

図2-12  遠隔制御のための計算機網の構成

移動ロボットの先端やブランケットモジュールの位置関係の変化を実時間で示す3次元画像と計算機回路網で制御された遠隔操作ロボットを示します。

 


図2-13  ITERにおける仮想空間システム画像

ITER真空容器内の移動ロボットの位置関係を示す3次元画像です。

 


 核融合実験炉ITERでは実験機器はすべて遠隔操作で動かす必要があります。実験機器を動かし、プラズマの挙動を調べ、あるいは不具合な部分を修理したり改良します。つまり実験とは自然現象を克服する点では冒険とか探検と似ています。未知の現象に対する試行錯誤を迅速に行うことが重要となります。このような全体計画を統括するのには包括的計算機回路網が必要不可欠です。ITERは国際協力での建設が想定され、国の境界をこえたオンライン実験運転計画の実施も要求されます。ITER技術開発の一環として、実際の部品の取り付けや取り外し用の遠隔操作ロボットとこれを制御する計算機回路網を製作しモックアップ試験を行いました。図2-12に計算機回路網の構成を示します。図2-13はITERにおける遠隔操作機器の仮想空間画像の例です。人が機械を介して自然現象を理解しそれを利用するための新たなソフトウエアの試みがITERの技術開発で進展しています。


参考文献

K. Oka et al., Measurement and Control System for the ITER Remote Handling Mock-Up Test, Proc. 20th Symp. on Fusion Technology, Sep. 7-11, 1998, Marseille, France (1999).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999
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