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図2-25 | ジャイロトロンと出力窓の外観
ジャイロトロンの全長は3 m、出力窓の有効直径は80 mm、厚さ2.23 mmのダイアモンド製で周辺に水冷構造があります。 |
大電力の電磁波はプラズマを加熱するのに、物理の面から優れた特質がありますが、ITERで必要な単基容量を1 MW程度にすることに困難がありました。課題は寄生振動等の集中による発振管の電極損傷や本体と接続するための窓材での高周波損失による熱損傷です。また電子ビーム内の特殊な発振モードの電磁波を伝送損失の少ないモードに効率良く変換するモード変換器も必要です。電子ビームの直流成分を電力として外部回路に回収するビーム減速電極をつけ電極の熱負荷を軽減しました。また開発された外形96 mm、厚さ2.23 mmの人工ダイアモンドを窓材として組み込みました。このようなさまざまな工夫を総合して発振管(ジャイロトロン)を製作しました。図2-24はジャイロトロンの断面図、図2-25は完成したジャイロトロンの外観と窓部です。発振試験では170 GHz(波長約2 mm)で、520 kWを6.2秒、450 kWを8秒等の結果を得ました。このとき窓材中心部温度は150℃とやや高めとなりますがダイアモンドの純度をさらに向上すれば1 MW、連続運転の目標は達成の見通しです。 |
参考文献
K. Sakamoto et al., High Power 170 GHz Gyrotron with Synthetic Diamond Window, Rev. Sci. Instrum., 70(1), 208 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |