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光量子科学研究の要となる百兆分の1秒の超高ピーク出力レーザー(Tキューブレーザー)を極限まで集光し、固体などに照射した場合、瞬時に超高エネルギー高密度プラズマが生成され、極短時間に従来予期されていない様々な現象が起こると言われています。これらの現象解析を進めるためには、大規模なプラズマ粒子シミュレーションが必要でしたが、今回、超並列計算機に最適化した計算で次のような興味深い結果が明らかになりました。この計算には2,502個のCPUを備え、125GFLOPS、106GByteの性能を持ち、通常のスーパーコンピュータの100倍以上の能力を発揮できる、関西研究所の超並列計算機Paragon XP/S 75MP834を使用しました。 固体薄膜にレーザー照射すると表面でレーザーは反射されます。しかし、超高ピーク出力レーザーの場合には、一部が薄膜を透過します。さらに興味深いことに、この透過光はより細かな間隔の赤青縞から構成されており、レーザー波長の1/10以下の短波長(遠紫外線や軟X線)の強力なコヒーレント光が放出されることを見いだしました(図4-4)。 また、サブミクロン程度の微粒子からなる薄膜に照射すると、上記の固体表面の現象とはまったく異なる様相を示し、レーザーはほぼ完全に吸収され、細かな間隔の赤青縞の強いX線や高エネルギー電子・イオンが発生することを発見しました(図4-5)。 このような状態は、地上では実現し得ない極限状態であり、宇宙においてのみ生じている超高エネルギー粒子集団を発生できるのではないかと考えており、早期の実験検証を期待しています。 |
参考文献
Y. Ueshima et al., Giga-Particle Simulation of Short Pulse X Ray Generation with Ultra-Shortpulse Relativistic Laser, Inst. Phys. Conf. Ser. No. 159, Proc. of 6th Int. Conf. on X-Ray Lasers, Aug. 31-Sep. 4, Japan, 1998, 325 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |