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物質の格子振動や電子−格子間の相互作用に関する知見を得ることは、構造相転移や超伝導等の現象を理解する上で極めて重要です。私たちは、第三世代放射光で初めて可能になる核共鳴散乱現象を利用し、物質中の特定元素の格子振動や拡散運動に関する知見を得るための研究を行っています。核共鳴現象を利用して非弾性核共鳴散乱スペクトル測定を行うと、試料中の共鳴元素以外は励起されないため、特定元素のみの振動状態を狙い撃ちして取り出すことが可能になります(図4-15)。一例として、図4-16にグラファイト層間化合物(GIC)中の鉄元素の挙動を調べるため、放射光をグラファイト層に垂直、平行方向から入射して測定された非弾性核共鳴散乱スペクトルを示します。この実験からグラファイト層間で、鉄元素の振動状態は層に垂直な方向には硬く、層に平行な方向には柔らかいことがわかりました。 |
参考文献
S. Kitao et al., Inelastic Nuclear Resonant Scattering of FeCl3-Graphite Intercalation Compounds, Jpn. J. Appl. Phys., 38 (1), 535 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |