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技術シーズ集第9版>伝統産業・地場産業とのコラボレーション>伝統・地場 2
福井県の越前焼は八百年の歴史をもち、日本六古窯の一つとして知られています。
丘陵斜面を利用した「穴窯」で焼いた陶器は、鉄分の多い陶土に熱と炎がもたらす独特の自然の配色と降りかかる灰がもたらす自然釉が特徴です。
平成16年から27年にかけ、地元窯業関係者・原子力機構・大学等研究者等が参加して、この伝統的な「焼き」の技術を科学的に解明するプロジェクトが展開されました。
原子力機構の研究開発現場では、様々な場面で計算シミュレーションコードを開発・利用しています。この「越前焼陶芸に関する技術交流会」プロジェクト活動の中では、もんじゅで培われた熱流動解析技術を応用し(ANSYS社CFXコードを利用)、穴窯の中で品物が焼き上がるまでの焼成過程を、科学的に明らかにしました。特に、焼き上がりに大きく影響する、窯内の温度分布、酸素濃度、灰の流れ、酸化・還元の様子などをシミュレーションにより可視化しました。
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